ついにラストラン、ありがとうMax! E4系Maxときの思い出

上越新幹線E4系Maxが2021年10月1日にて、ついに定期運用終了を迎えました。

E4系Max

座席好きとしては車両の引退のたびに悲しくなるのですが、今回はまた格別。


JR東日本管内ではどこに行っても見かける「ありがとうMax」のポスター。
沿線の駅にはパネル展示やメッセージボード。
次々とリリースされては完売になるグッズ。

こんなに惜しまれた車両がかつてあったでしょうか。

置き換えが発表されたのは2017年。もともとは2020年末までに全廃が予定されていました。
出身が新潟にもかかわらず、いつも普通列車ばかりで新幹線の利用機会が少なかった私は、別れを惜しむつもりで乗りに行ったのを覚えています。

2019年の台風19号で長野車両センターが浸水、北陸新幹線のE7・W7の約半分が廃車になり、上越新幹線に投入するE7を転用したため引退がほんの少し延びました。

今年9月に乗り納めに行ってきましたが、日に日につのる寂しさよ。
ラストランに駆け付けることも叶わないので、過去に撮影した写真を掘り起こしてみました。

Maxときの車両外観

Thank you! Max! のメッセージが加わったロゴ

黄色だった帯色がピンクに変更されたのは2014年から。
2012年に東北新幹線での運用が終了。活躍の場が上越新幹線のみになり、2014年の新潟デスティネーションキャンペーンをきっかけに新潟カラーになったんですね。

この「朱鷺色」と呼ばれるやさしいピンク、大好きなんですよ。
Maxの引退でこのカラーリングが失われてしまう喪失感がとても大きい。

3羽の朱鷺が羽ばたくロゴにも「Thank you Max!」の文字が入りました。

Thank you! Max! のメッセージが加わったロゴ

ラストランのオフィシャルロゴも入りました。

Thank you! Max! ロゴ

シュッとした顔つきの新幹線が増えていく中で、このつるっとした愛らしさは貴重です……!

東京駅ホームのE4

目が大きいですな。

連結部

乗務員室の窓、他の窓と高さが違うせいで窓っぽくない。

乗務員室の窓から安全確認する車掌さん

E4系Max座席コレクション

客室は1階席・2階席、一部フラットシート。えきねっとで指定席を取る場合、列車選択では1階と2階は別の列車扱いになっていました。値段は一緒。
当然2階の方が眺めが良く、人気なんですよね。繁忙期の2階席はすぐに埋まります。
でも、意外にトンネル多い罠。

E4系は座席によって全然雰囲気が違うので乗るたびにチョイスを変えてみたのですが、1階席は落ち着くから結構好き。

普通車1階席

1階席の車内
1階席から見たホーム

オレンジ系のあたたかみのあるモケット。
2階に比べると1階はどうしても採光の面で劣りますが、暖色系のシートと高い天井のおかげで車内は驚くほど明るく開放感があります。

1階席から見たホ0無

目線の高さはこんな感じ。窓の下部がホームと同じ高さです。
この位置からホームを見る機会もそうそう無いですよね。

1階席 マガジンラック

この席、シートを回転させると壁面テーブルがないので、通路に小さいサイドテーブルとマガジンラックがあります。

普通車2階席(自由席)

3人掛けのシートが両側に並ぶ

ブルー基調のドア&モケット。
ところでこの写真に何か違和感を覚えた方、いらっしゃいますでしょうか……?

そうなんです。2階席の自由席は両側とも3人掛けシートなんですよ。
通路狭い! 天井も1階席より低く、キュッとしてますね。

それと……

2階席の座席(前面)
2階席の座席(背面)

シートが繋がっていて、アームレストがありません。まるでソファーです。
当然リクライニングもできないわけですが、隣が空いていればのびのびできる利点も。

普通車2階席(指定席)

1階席の座席(背面)

2階指定席の写真を探したがこれしかなかった。
指定席のシートは独立していてアームレストがあり、リクライニングもできますよ。

シートと同じ幾何学模様のカーテン

カーテンもシートと同じ幾何学模様。
この模様が雪の結晶モチーフだという話を昔どこかで見たような記憶があるのですが、今探しても出典が見つからなかった。夢じゃないよね……?

グリーン車

グリーン車の車内
グリーン車の座席

木目調の内装にグリーンのシート、暖色系の照明。座席もゆったりです。
最前列はフットレストの代わりにちっちゃい台が置いてあるのがかわいい。

車窓に見える田んぼ

グリーン車は7・8号車の2階部分。
上越新幹線の大半はトンネル。貴重な車窓からの景色、天気がよければこんな田園風景が楽しめます。

普通車フラットシート

2・4・6号車に1階建ての普通車フラットシートがあるのですが、写真が1枚もなかった……。
内装とシートは1階席と同じ。1階建てだから天井は高く広々です。

E4系Maxの車内設備

客室以外の車内設備を見ていきます。

車内売店

今ではもう他で見ることのできなくなった新幹線の車内売店。唯一残っていたE4系Maxの引退をもって、ついに姿を消すことになります。

設備としての売店は残っていたのですが、2012年頃からはワゴン販売が中心となり、常時営業ではなくなっていたようです。

こちらは連休前の夜、臨時営業していた時のもの。お酒やおつまみ中心です。
かつてはこのスペース一杯に商品が並んでいた時期もあったのでしょうね。
かなり限定された品揃えの中に、よく見ると鮭の酒びたしもあります。酒呑みセレクトに乾杯です。

営業中の車内売店

売店営業のない列車。がらんとしていて寂しい。

営業していない車内売店

ラストラン間近には、Thank you! Max! バージョンに変身。
列車限定で「Maxラストランスムージー」というオシャレメニューも販売していました。

スムージーのサンプル模型とデジタルサイネージがキラキラしてる……!
酒呑み仕様の売店イメージが脳裏に焼き付いている私は腰を抜かしましたて。

Thank you! Max! の装飾がされた車内売店

デッキ

階段
1階席への階段

階段階段、まーた階段。
ドアのところまでいかないと中の状況が分からないので、自由席の時は空席を探してひたすら上り下りすることもあります。

柱についている扉は、車内販売用のカートを昇降するエレベーター。
中を見たことはありませんが、お料理屋さんにある、料理だけ運ぶエレベーターのようなものでしょうか。
カートはこれで昇降できますがヒトは階段を上り下りしなければならないので、車内販売員さんは大変。
上越新幹線は8両編成と短いですが、実質16両分を階段の昇降含めて移動しなければならないわけです。

ちなみに、グリーン車のある7・8号車のみ、デッキのカラーがグリーンです。
8号車には車椅子対応のエレベーターもあります。

グリーンのデッキ

連結部の長~い通路。なんもないのにワクワクするところ。

連結部の長い通路

自由席のある1・2・3号車デッキにある補助座席。2階席のモケットと同じ柄です。

補助イスを下ろしたところ

公衆電話は使用停止になっていますが、電話機とテレホンカード販売機はまだ設置されていました。

公衆電話とカード券売機

ところで、2階建ての先頭がどうなってるのか気になりませんか? 私はずっと気になってました。
なので頑張って1号車まで行ったんですが……

階段を降りると行き止まり

ハイ、行きどまりでした。
両側には乗降口があります。

トイレ・洗面

さて。もう最後なのでトイレもお見せいたしましょう。

通常のトイレ
通常のトイレ
スペース広めの多機能トイレ
多機能トイレ

お食事中の方、ごめんなさい。

自動水栓の洗面台。ハンドドライヤーは使用停止です。

自動水栓の洗面台

引退後はどうなる? E4系Max

定期運用を終了したE4系Maxの今後について。

臨時列車の運行予定

10月に4日間の臨時列車の運転が決まっています。

10月9日・10日は「サンキューMAXとき&やまびこ」として、新潟~盛岡間を走ります。
9日は新潟発、10日は盛岡発。
このコースは大宮でのスイッチバックも見どころ。
10日は盛岡駅の新幹線ホームにて車両展示が開催されます。

10月16日・17日は「サンキューMAXとき」東京~新潟間の往復運行です。

※いずれも旅行商品なので、ツアーへの申し込みが必要です。

新津鉄道資料館の常設展示

先頭車両は新津鉄道資料館に展示されています。
ここに行けばいつでも会える……!
見学する時は、公式ホームページ(http://www.ncnrm.com/)をご参照ください。

また会えることを楽しみに。
ありがとうMax★

東京駅ホームのE4

おまけ

2段重ねでまさにMaxそのもの、オール2階建て弁当。
新潟駅で販売されている神尾弁当・新潟三新軒、越後湯沢駅の川岳軒の3種類があります。
川岳軒バージョンは魚沼産コシヒカリのご飯に、1階は鮭とイクラの親子丼、2階は牛肉という贅沢なお品書きで、目も舌も楽しませてくれます。

Maxの形の弁当箱
上段は肉、下段は鮭やイクラ