【鉄印】とやま・いしかわ・のとのたび
富山駅。
今日はここから、北陸エリア3社の鉄印を集めます。
朝食は南口の「立山そば」で山菜やまかけうどん。
食券をカウンターに出したところで、1個40円のいなりの誘惑に負けました。
富山駅は、駅舎の中にJR、あいの風とやま鉄道、路面電車の乗り場がすべて入っている。
路面電車は、駅北側を走る富山港線と南側の富山軌道線が今年3月に接続したばかり。
富山駅の高架下を通り、駅を貫いて南北を繋ぐ斬新な構造になっている。
駅の中を路面電車が通り抜ける光景は、他ではなかなかお目にかかれない。
あいの風とやま鉄道の定期券売り場で鉄印を記帳して、改札へ。
第三セクターの駅というと、JR駅の一角にお邪魔しますといった体で小さな改札があったり、隣にこじんまりとした建物が建っているようなイメージだが、ここはまるで新幹線乗り場だ。
天井は、とやま鉄道のロゴを模したような曲線デザインになっている。
北陸新幹線の開業によってJRから経営分離された北陸本線・直江津~金沢間は、えちごトキめき鉄道(新潟県)、あいの風とやま鉄道(富山県)、IRいしかわ鉄道(石川県)の3社に引き継がれた。
あいの風とやま鉄道の区間は市振~倶利伽羅だが、この3路線は泊を境に折り返し運転を行っているため、富山から乗れば金沢まで直通する。
次の目的地は、IRいしかわ鉄道の津幡駅。
車内は結構混んでいたのでドア脇に立つ。
ドアの上には手書きイラストのマナー広告。
言葉少ななのに、余白が多くを語る不思議な広告だ。
津幡駅は、JR七尾線との接続駅。
ここで鉄印を頂いた後、七尾線で能登方面へ向かう。
津幡地区にはその昔、大雨で堤が決壊寸前になっていたのを1匹の犬が知らせ、住民を救ったという言い伝えがある。
真ん中の白い像は忠犬伝説にちなんで作られたものだが、
周りには大きさもテイストもバラバラなのがワラワラいてほほえましい。
駅の中にはわんこがいっぱい。
改札には時節柄、ハロウィンの飾り付けが施されている。
お?七尾線は新型521系が運用に入っているらしい。
ホームで七尾行の列車を待つ。
どちらかといえば古い413系に乗りたかったが、早速新車両に当たった。
七尾駅ホームに立っているマスコットの「とうはくん」は、桃山時代の画聖、長谷川等伯がモデル。
硯と筆を持っておりますが、お鬚でも絵が描けますな。
JRの改札を出て、駅の中で繋がっている、のと鉄道の乗り場へ。
待っていたのは、「花咲くいろは」のラッピング列車。
2018年に乗った時と比べると、少し色が褪せたかな……?
以前乗った時は、広告スペースも花咲くいろは一色だったけど、現在はこんな感じ。
両脇には通常の広告が、通路には沿線風景の写真が飾られている。
運転士さんから「つこうてくだしフリーきっぷ」(大人1000円)を購入。
路線図で見ると海沿いを走ってるようで案外海が見えない七尾線と比べると、のと鉄道は田鶴浜を過ぎれば七尾湾沿いに進んでいく。
視界が開けた深浦地区の漁港のあたり。
穴水着。
このケーブルで書いた「のと」がいつも気になる。電飾が付いてる……?
鉄印を頂き、13時台の列車で折り返し。
フリーきっぷを持っているので、寄り道は復路でゆっくりと。
鉄印の台紙に描かれている、田園風景の中を走るのと鉄道の車両。
この風景は、西岸―能登鹿島間にあります。
西岸駅で途中下車。
「花咲くいろは」の湯乃鷺駅のモデルとなったこの駅のホームには、「ゆのさぎ」の駅名標が。
しかも、かなり年季が入った風になっているではないか。
1932年開業時からの木造駅舎は、改修を重ねながら今も大切に使われている。
駅舎を撮影していると、雨音が大きくなってくる。
傘を差しても気休め程度にしかならないほど降ってきた。
風景の撮影は諦めて、西岸駅から徒歩約10分の温泉施設、「なかじま猿田彦温泉」へ。
つこうてくだしフリーきっぷを提示すると割引を受けることができる。大人550円→450円。
ここには「箱湯」と「筒湯」の2つの浴場があり、男湯と女湯は1ヶ月ごとに入れ替え。
今日は「箱湯」が女湯だった。
湯温はやや熱めだが、浸かっていると慣れてちょうど良くなる。
湯船から出ても体がいつまでも温かい。
西岸駅に戻って七尾方面の列車を待っていると、目を疑うようなのが入って来た。
行きに乗ってきた「花咲くいろは」ラッピング車両の後に、観光列車「のと里山里海号」が連結されている。
「のと里山里海号」は全席指定だが、1両目の「花咲くいろは」は普通列車で乗車券さえあれば乗れる。
こうした、観光列車と普通列車が連結されているパターンは明知鉄道でも見たことがある。
その時私は観光列車の車両に乗ってきのこ料理に舌鼓を打っており、普通列車のお客様との温度差がシュールに感じたが、地元の人はそんなこと気にも留めていない様子だった。
観光列車はビュースポットで停車してくれたり、見所をアナウンスしてくれる。
連結された普通列車に乗っている自分も恩恵を受けられるのだから有難い反面、座席指定料金を払っていないのにサービスして頂いて申し訳なくなったりする。
ただし、ビュースポットは里山里海号の車両に合わせて停車するから、この車両の位置から見ると少し微妙だったりもするのだが、普通運賃しか払っていないのだから文句のあるはずもない。十分堪能させていただいた。
しかもこの列車、能登中島駅で15分の観光停車があるのだ。
能登演劇堂にちなんで、愛称は「演劇ロマン駅」。
「花咲くいろは」でいうと、「小松崎」である。
待合室には映画のポスターが掲示されている。
ここもなかなか古い駅舎で、一番の見所は静態保存されている国鉄時代の郵便車。
中に入って見学することができる。
能登中島を発車すると、次の停車駅は笠志保駅。
牡蠣の養殖をしている方が駅前で食堂をやっていて、これからシーズン中は駅舎の中を十数名の団体用の飲食スペースにするそうだ。
穴水駅の跨線橋で冬季に営業する牡蠣炭火焼「あつあつ亭」といい、のと鉄道さんは駅を有効活用しているなぁ。
和倉温泉から七尾までの間は、この路線で一番長いストレート。
七尾に着くと、七尾線が止まっていた。
羽咋駅―千路駅間の架線に支障物が付着しているため、撤去作業をしているということだ。
刻々と変わるアナウンスから、列車の到着までかなり時間がかかりそうなことが分かった。駅前をぷらぷら。
2019年3月に閉店した駅前の商業施設「パトリア七尾」からは、テナントのロゴが消え、のっぺらぼうになっている。
仮囲いの近くまで寄ると、ミスドが営業していた。なんだか嬉しい。
この後のおやつにドーナツを購入して駅へ。
ホームでは、遅れている「花嫁のれん」が入ってきたところ。
この列車、来るたびによく遭遇するのだが、いまだ乗る機会がない。
私が乗るのは次の金沢行。
そして、来た!413系だ。
ピカピカの新型より、やっぱりこっちが安心するなぁ。
(2020.10.24)