最果ての地でJR完乗!津軽線(中小国―三厩)

2019年の元旦を青森で迎えた。
いつも旅先では始発で出かける私も、この日はちょっとゆっくりめの旅程を組んだ。
今日の目的はただ一つ。津軽線乗車。
そして終点の三厩駅でJR完乗達成となる。
だから、なるべく余計な予定は詰め込まず、津軽線を味わうことと完乗の余韻に浸るためだけの一日にした。

元旦の青森駅前を歩く

朝、9時過ぎに外へ出ると、雪が吹き付けていた。
青森の駅前通りは、靴屋や本屋が既に営業している。

駅前通りの様子

駅ビルのラビナも通常の開店時間を1時間繰り上げ、初売りで9時からオープンしている。
「ロビナ」と読みたくなるが、「Loving Aomori」の略で、ラビナと読むそうだ。

青森駅ビル ラビナ

この青森弁の看板素敵。
さわや書店さんの店舗は、本屋に行くのが楽しくなるような、本への愛情溢れるお店でしたよ。

津軽線(青森―蟹田)

駅ビル散策が終わったら駅のホームへ。

青森 1101 → 蟹田 1138 /津軽線 蟹田行

津軽線 701系

701系ですよ。ロングシートですよ。
うーむ。分かってはいたけど。しばしの辛抱。

吹雪が強くなり、窓も曇って外が見えなくなってきた。
真冬の津軽海峡というと、なんとなく、灰色に曇った空と荒れた海という荒涼としたイメージが浮かんでしまう。
青森でも吹雪いていたが、海に向かうにつれてどんどん天候が荒々しくなるのではないかとちょっと心配した。

・・・が、心配してたのが嘘のように晴れてきたのだ。
瀬辺地からは、右手に海が見えた。

車窓から見える海

 

1138 蟹田着。なんと青空が見えている。

太宰治『津軽』の碑

蟹田と言えばこれ!太宰治『津軽』の碑

北緯41度の碑

裏側はなぜかポップな感じ

津軽線(蟹田―三厩)

乗継は6分。降りたホーム向かいの3番線に三厩行が停車中。

蟹田 1144 → 三厩 1224 /津軽線 三厩行

津軽線 キハ48

JR全線完乗の長い長い旅、最後に乗る車両はこれ!キハ48!!
蟹田発車後に広がる青空と雪景色。旅日和になってきた。

青空と雪景色

さて、いよいよここからが本番。

私は北海道新幹線開業前に、海峡線で北海道に行ったことが2度ある。

1度目は青春18きっぷの「青函特例」を利用して特急スーパー白鳥に乗った。
「青函特例」とは、普通列車が運行していない青函トンネル区間のみ、青春18きっぷで特急に乗車させてくれるという有難い制度だ。
蟹田まで普通列車で行き、蟹田―木古内を特急で移動し、木古内からはまた普通列車に乗り換えた。
それまでずっとロングシート車両ばかりで食事を取るチャンスがなかったので、特急車内ではここぞとばかりに駅弁を広げてビールを煽った。
2度目は、急行「はまなす」。
青春18きっぷに急行券と座席指定券で乗れる上に、寝ている間に青森から札幌まで一気にワープできる。
青森を出ると次の停車駅は函館。夜で外の様子が分からなかったけど、そこそこ長い運転停車があって、どこだろうと思って確認したら蟹田だった。
この時乗った海峡線と津軽線は直通しており、中小国駅の先の新中小国信号場で函館方面と三厩方面に分岐する。
海峡線の列車は中小国には止まらない。けれど通過しているので、中小国までは乗車済。
未乗区間はこの先、「中小国―三厩」の24.4kmなのだ。

黄緑色の駅舎

これがその中小国駅。かつて海峡線と津軽線の分岐点だった駅だ。
写真では黄色に見えるが、実物はライムグリーンだ。
いつからこの色なのか・・・。
確かに、真っ白な雪の中ではひときわ目立つけれども。

蟹田出発後しばらく平野を走っていたが、津軽二股に向かうあたりから山の中に入る。

・・・と思いきや。

津軽二股。津軽線の駅舎は左側。
そして、右側には・・・

奥津軽いまべつ駅

奥津軽いまべつ駅

奥津軽いまべつ駅。
新幹線駅はどれも同じに見えてしまう。

終点のひとつ手前、津軽浜名駅。

津軽浜名駅

見よこの文字レイアウト。
こういう駅を見る方が無機質な新幹線駅より俄然楽しい。

右手に三厩湾が見えてくる。
三厩湾

何か暗い雲がどんより立ち込めてきた。

1224 三厩着。そして・・・

駅名標と記念撮影

 

ここでJR全線完乗達成ですっ!!!

三厩駅では、また青空が戻ってきました。
達成感もあるけど、ただただ、この場所に居るのが気持ちよかった。
だってこんな場所なんですよ。

三厩駅ホーム キハ48

行き止まりの向こうに聳える山。
後ろを振り返れば

三厩駅ホーム

広い。視界に広がる白い雪。一応もう一度断っておくと、ここは駅のプラットホームだ。
境目がなく、どこが線路かも曖昧な、駅らしからぬ光景はきっと冬独特のものだ。
雪が解けたらどうなるんだろう。草茫々なんじゃないかと思ったら、今この瞬間がすごく贅沢に思えてきた。季節を変えてまた来るのも楽しみだ。

(2019.1.1)