ちりとてちん杯番外編③:七尾線・のと鉄道乗車記

大会の疲れもあり、朝はちょっとゆっくり目に出て金沢へ向かった。

あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道で金沢へ

高岡 0831 → 金沢 0912 /あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道 金沢行

外は曇り。ちょっと雨が降り出しそうな雲行きだ。
昨夜乗った時は闇の中だった高岡ー金沢間は、明けてみるとあまり車窓に特徴がなかった。
あいの風とやま鉄道とIRいしかわ鉄道の境界駅となる、倶利伽羅駅。
名前から受けるインパクトに対し、ホームには特段何もなく物寂しい印象を受けたけれど、実は1909年開業当時からの駅舎が今も使われている。
わずかな時間で発車してしまうこの駅では、車内からでは、第三セクター移管時に新しくなった駅名標を確認することぐらいしかできない。
倶利伽羅駅 駅名標

車内から撮影。ブレブレ

動き出す車内からかろうじて撮影した駅名標。金沢方面へ向かう1番線はIRいしかわ鉄道カラー。
ということは、裏側はあいの風とやま鉄道になってるのだろうか。降りて確認してみたい。

七尾線(津幡―和倉温泉)

金沢駅は、観光客と思われる人々でごった返していた。
北陸新幹線開業以降、関東からの観光客が増えているというのはニュースで見聞きして知っていたけどこれほどとは・・・。
三連休だから?それともいつもこんなんなのだろうか。
金沢というと何か落ち着いたイメージを持っていたが、体感的には京都や大阪と変わらないくらいわちゃわちゃしてる。
乗り継ぎ時間は十分あったけど、トイレに並ぶだけでかなりの時間を費やしてしまったので、用が済んだらまっすぐ七尾線ホームへ向かった。
金沢 0952 → 七尾 1119 /七尾線 七尾行
七尾線 415系
6番線から発車。

415系。年季入ってます。見るだけでワクワクするこの佇まい。

415系車内全体
なつかしさを感じるエンジ色のモケットに、普通列車ながらもちょっと特別感のある白いヘッドカバー。
背もたれの形も特徴的。
座席(横から)
窓も開閉できる。窓開けてお弁当とお茶買って膝の上に広げ、のんびり車窓を楽しみたい、そんな気分にさせる車両だ。
ちなみに七尾線は能登半島を走る、というだけでなんとなく海を連想していたのだが、海は見えない。
こんな感じの田園風景が続く。
七尾線車窓

11:19 七尾駅着。

和風の駅名標や暖簾
七尾駅のあちこちで目にする和風のオブジェや駅名標は、観光特急列車「花嫁のれん」のPRディスプレイ。
「花嫁のれん」は、北陸の伝統工芸、輪島塗や加賀友禅をイメージした絢爛豪華な列車。
金土日と休日に金沢ー和倉温泉間で1日2往復運行。停車駅は、金沢・羽咋・七尾・和倉温泉のみ。
食事つきのコースや、日によっては特産品販売などのイベントもあるそうだ。
人気が高く切符が取りづらいようだが、内装がなかなか面白いので、ちょっと乗ってみたくなった。

のと鉄道(和倉温泉―穴水)

七尾 1143 → 穴水 1223 /のと鉄道 穴水行
JR七尾線とのと鉄道の境界駅は1つ先の和倉温泉だが、七尾線とのと鉄道の普通列車はすべて七尾駅が始発となる。
駅前を散策した後、七尾駅のとホームに入ると、待ち受けていたのはこの列車。
のとりあーなちゃんラッピング列車
穴水町のゆるキャラ「のとりあーなちゃん」
花咲くいろはラッピング列車
「花咲くいろは」ラッピング列車
こんな2両編成。
ラッピング列車は見慣れているけど、キャラonキャラはなかなかインパクトがある。
花咲くいろは車両の中はこんな感じ。
車内車内広告スペース
柱に声優さんのサインがあったり、広告スペースに名場面を貼ったりとなかなか気合が入っている。
専用のヘッドマークも。
花咲くいろは列車 ヘッドマーク

駅全体がアトラクションな穴水駅

のとりあーなちゃんと花咲くいろは、ラッピング×ラッピングでなかなかお腹いっぱいの私であったが、この程度で驚くには早かった。
穴水駅では更なる驚きが待ち構えていたのだ。
永井豪車両と花咲くいろは車両
永井豪記念館×花咲くいろは編成。
もう、のと鉄道さんのチョイスは濃ゆい、濃ゆすぎる。

穴水駅の発着は1番乗り場のみ。
反対側の0番線には、「のと恋路号」が展示されている。

のと恋路号

中に入ることはできないのかな?と覗いたら

囲碁サロンの案内テーブルの上には碁石

中は囲碁サロンとして開放されている日があるらしい。座席を取っ払って集会所みたいになっている。

ホームにはこんな顔出し看板。
ボラ待ち櫓と、のとりあーなちゃん・・・テイストの違いがシュール。

ボラ待ち櫓とのとりあーなちゃんの顔出し看板

 

駅舎内には遠藤関の「お姫様だっこ」顔出し看板。

遠藤関の顔出し看板

駅舎外観。

穴水駅駅舎外観

あれ?
ケーブルで「のと」って書いてある。

至る所にユーモアが感じられる。駅舎内を見て回るだけで楽しい。楽しすぎる。穴水駅おそるべし。
駅全体がアトラクションだ。

 

ちなみに穴水駅の跨線橋では、冬期に牡蠣炭火焼「あつあつ亭」というのを営業してるらしい。線路を眺めながらホクホク炭火焼き。行ってみたい!

和倉温泉でわくたまくんと戯れる

穴水 1311 → 和倉温泉 1346 /のと鉄道 七尾行

帰りは花咲くいろはラッピング1両編成
1両でも十分目立つ車両だけど、永井豪とのコンボを見た後では随分シンプルに見える。

花咲くいろはラッピング車両

和倉温泉駅には、地元のゆるキャラ「わくたまくん」がいっぱい!

わくたまくん看板

ここにもここにも……

わくたまくん自販機ポストの上のわくたまくん

 

駅待合室の観光案内所で日帰り入浴施設について聞くと、駅から2キロ、徒歩30分のところにあるそうだ。

私は駅から1時間以内だったら平気で歩く人である。散策がてら、ぼちぼちと行こうじゃないか。

観光案内所でもらった地図を見ながら歩く。大きな道をまっすぐ行くので道は単純だ。でも、単純だからかなかなか着かない。遠く感じる。
道路からひょっと見ると謎の物体が……

いろいろなわくたまくん

わくたまくんパーク!!
園内のそこかしこにいろいろなポーズのわくたまくんが!!!

すぐそばには、海の見える足湯「湯っ足りパーク」。ちょうど歩き疲れてきたところなので、ここで休憩。

海の見える足湯

こんな景色を見ながら足湯で一休み。動きたくなくなってしまう。

目指す「和倉温泉 総湯」までの道のりは、ここで6合目くらい。
頑張って歩き出します。

「和倉温泉 総湯」は、お風呂と休憩スペースだけのシンプルな入浴施設で、外には無料の足湯と飲泉もある。
和倉温泉総湯 外観わくたまくんの飲泉
入浴料 440円(2018年9月現在)
ナトリウム・カルシウムー塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉)、ph値7.6
内湯は浴槽ごとに40℃、41℃、42℃、
露天は42℃に調整されていた。

内湯にも飲用の源泉があったので飲んでみる。当然だが塩辛い。
効能に「2倍に薄めて飲めば胃腸病や貧血病に良いとされている」と書いてあった。最近胃腸の調子が悪いので効くことを願い飲み切った。

和倉温泉 1730 → 金沢 1831 /七尾線

和倉温泉 駅名標

帰りは「特急能登かがり火」に乗ってみた。
私が「能登かがり火」に対して持っていた印象はこの駅名標の横のかがり火のイメージで、なんとなく観光向きの列車かと思っていたが、681系の普通の特急だった。
能登かがり火
乗客も観光客より、スーツを着てテーブルでノートPCを広げているビジネスマンが目立つくらいだ。
暗くなる車窓を見ながら、自分もなんだか観光気分から醒めてビジネス帰りの気だるさに呑まれてきたあたりで金沢に着いた。
(2018.9.24)