青春18きっぷで日帰り!ぐるり桜めぐりの旅―前編―

朝、3時半に目覚ましが鳴った。
今日は行先も比較的近いのだから別に始発で頑張らなくてもいいのだ。なのに旅に出る時はいつも早朝発にしてしまう。少しでも1日を長く使いたいのだ。

今日の行程は、東京から日帰りで桜スポットを巡る詰め込みプラン。

ルート図

これだけ回るのだから、一日をめいっぱい使いたいのだ。

まずは中央本線で出発!

日曜早朝の中央線下り列車は、朝早くに出かける人よりもむしろ、朝まで飲んで帰る人の方が多かった。
まったく清々しくない光景だけれど、西へ向かうにつれ、オール組はパラパラと下車していき、三鷹あたりで全滅した。「武蔵境」はその名の通り、どこで飲み明かすかの境目であるのかもしれなかった。

高尾 0614 → 勝沼ぶどう郷 0717 /中央本線 松本行

早朝の高尾の空気はひんやりして肌寒い。この冷たい外気に触れると、少し遠くへ来たなと実感する。
車両は211系ロングシートの6両編成。車内はガラガラだ。
ロングシートがちょっと残念だけど、車窓はこれまでとガラリと変わり山の中をゆくから退屈しない。

甚六桜と甲府盆地(勝沼ぶどう郷)

勝沼ぶどう郷駅には7:17着。
ここ勝沼ぶどう郷駅周辺には約600本の桜があり、車窓からも桜のトンネルを楽しむことができる。

ホームに降りた瞬間、満開の桜がお出迎え。
桜越しに望む甲府盆地の眺めが素晴らしい。

勝沼ぶどう郷から甲府盆地を見下ろす

旧勝沼駅ホーム

甚六桜公園

EF64

駅を出て右手には、旧勝沼駅のホーム。
左手は「甚六桜公園」と呼ばれる広場になっており、国鉄の勾配線区用電気機関車「EF64」が展示されている。

この先をもうしばらく進むと、大日影トンネル遊歩道の入口に突き当たるが、漏水および経年劣化で2016年から現在まで一時閉鎖されている。

舞鶴城公園と信玄公祭り(甲府)

勝沼ぶどう郷 0849 → 甲府 0921 /中央本線 小淵沢行

211系、またもやロングシート。
今日は天気も良く、八ヶ岳方面に向かうグループで車内は混みあっている。

甲府で下車、身延線の乗り継ぎまで約1時間半。
駅から近い桜スポット、「舞鶴城公園」(甲府城跡)に立ち寄る。

舞鶴城公園はJR甲府駅から徒歩約5分。
乗継待ちの合間にふらっと散歩するにも丁度良い距離にある。

まだ朝9時台ということもあってか、観光客はまばらだ。
気温が上がり、午前中とは思えないほど暑い。4月初旬なのに半袖Tシャツ1枚でいいくらい。

舞鶴城公園の桜

鉄門

城内に桜の木を植えている城は多いが、淡い桃色は石垣にも、白壁にも、木の門扉にも本当によく合う。

この日は「信玄公祭り」最終日。
下の自由広場では剣道の演武が行われており、青空の下、爽やかな掛け声が響いていた。

剣道の演武

身延線の車窓から

甲府 1059 → 身延 1226 /身延線 富士行

身延線 313系

 

313系2両編成。身延線ホームからは時の鐘が見える。

善光寺の少し先、中央本線との分岐点で、甲府方面へ向かう「快速ビューやまなし号」に遭遇。土休日を中心に一日一往復、新宿~小淵沢間で運行されている臨時列車だ。
下りに乗ったことはあまりないが、上り列車は山梨方面から東京に帰る際に好んで利用していた。
大体が小海線に乗った帰り。小淵沢駅のホームで「快速ビューやまなし」を待っていると、1本前に「特急はまかいじ」が発車する。
一体何度「はまかいじ」を見送ったことだろう。1回くらい乗れば良かった。いつの間にか廃止になっていたと知ってから、ずっと悔やんでいる。

待ち合わせの下り列車の遅れからか、甲斐岩間駅で眺めの停車。
窓の外には桜の木が風に揺れ、時折ホームに桜吹雪を舞い散らしている。

甲斐岩間駅の桜

身延線の車窓からは、沿線の至る所で桜を見ることができる。
桜の名所などではなく、普通の町、駅、公園、山・・・そこかしこに桜が咲いてる。
車窓からどれだけの桜を目にしただろうか。自分はただ座っているだけで次々と桜が目の前に現れては消えていく。

――後半へ――