第11回ちりとてちん杯
NHK朝の連ドラ「ちりとてちん」の舞台、小浜市。
ここで毎年秋に開催されている「ちりとてちん杯全国女性落語大会」
今年で第11回を迎えるこの大会に初出場してきました。
初めての落語大会出場!
落語の「大会」なるものに初めてエントリーした私。
ここ数日は毎日暇さえあればネタを繰っており、それでもまだ不安で睡眠不足。
それもそのはず。
応募時に演目を申告するのですが、この時に決めた演目が自作の新作落語。
実はこの時には書きかけで、応募したあとで慌てて仕上げたのでした。
このネタは初稿で15分。ところが、予選の制限時間は8分。
つまり、約半分にまで縮めなければならないのです。。。
予選1週間前。未練たらしく台詞の繰り返しなど比較的重要でない部分を削っており、12分。
そこから心を鬼にして場面ごとガッツリ削ってみたりしたけど、どうしても8分を30~40秒ほど超えてしまう。
また台詞をチマチマ削ったり、少しでも短く言い直したり微調整。テンポよく喋ればジャスト8分というところまで来たけれど・・・
ちょうど8分て、全然遊びがないからちょっとコケたら終了だ。
稽古中は時計で時間の経過見ながら、中盤で時間取り過ぎたら後半巻いて無理やり辻褄合わせてたけど、本番ではどうしたらいいんだろうか。秒単位で感知するレベルの極精密な体内時計が欲しい。
時計を見ずに8分におさめる稽古を繰り返し、やっとやっと、初めて8分内におさまったのが昨晩だったのでした。一晩寝たら大丈夫かこれ。
つまりまあ、ちょっとでも気を抜いたら8分オーバーしてしまうというギリギリの状態だったんですな。
小浜駅に到着!
前夜は敦賀に宿泊。
朝8時台の小浜線に乗り、9:18小浜駅着。駅の外は、雨。
地図を見ると、予選会場はたとえ道に迷ったとしても10分ほどで着けそうだ。受付開始は10時から。
まだ時間あるなと思ってトイレ行ったり観光案内所へ行ったりとウロウロ。
実は、ここ小浜駅ではやらねばならんことがあるのです。
それは、
「浅井三姉妹の顔ハメ看板」で写真を撮ること!!!
実は2015年夏にも小浜駅を訪れたことがあるんですが、その時はまあ、暑いし一人旅だしまぁいいか、ということで看板だけ撮影してたんですな。
だけども今日はこれからこの地で記念すべき大会デビューなのだから、ぜひとも自分がハマらなければならん。
それというのも・・・
私の高座名が「茶々」だからです!!
浅井三姉妹長女も「茶々様」。
だから今日はぜひともご一緒に。
真顔です。全然余裕ない。
ドキドキ会場入り
小浜駅での用事も済んだしぼちぼち歩きます。
さっきまで降っていた雨はやみ、まだお店が開く前の小浜の街をお散歩。
予選会場は駅から国道162号をまっすぐ行って、左にちょっと入ったところにある「働く婦人の家咲楽館」。
すぐ目の前には小浜市中央公園。そしてSLが!!
まっすぐ会場に向かわず、ついフラフラ~と吸い寄せられるように寄り道。
広い公園ですが、雨あがりでぬかるんでおり、深入りはできませんでしたとさ。
鉄分摂取してちょっと落ち着いたので受付へ向かいます。
高座名が書かれた名札を頂きました。実は私はこのとき他の演者さんたちと全然面識がなかったので、この名札には大変助けられました。
11時半から説明会。それまで自由時間となるので、予選会場を下見。
予選は3つの会場に分かれ、1会場あたり32~33名。途中に中入りを入れて3部構成です。
私は第三会場、こんな素敵な和室です。
時計あるやん!!あれほど残時間カウント能力を会得しようとした苦労は一体・・・。
私の出番は2部。着物は自分の番までに着替えておけばいいのですが、精神的にもう全然余裕ないのでとっとと着替えちゃいます。
で、会場前で記念撮影。
このあたりからもう、緊張しててあまり記憶ありません。多分各会場を出たり入ったり楽屋に戻って稽古したりを繰り返してたんだと思われます。
デビュー戦の感想は・・・
高座脇の廊下にスタンバイしている時から心臓バクバクでしたが、出囃子が鳴ってからはもう楽しくてしょうがなかったです。高座っていつもそうなんですよね。
緊張してたと言えばしてましたが、お客様の雰囲気も良く、良く笑って頂きました。
この日私がかけた噺は、自作の落語。
「子煩悩ウォーズ~夏の陣~」
もう、書いた当人もタイトルだけで恥ずかしくて爆発しそうですが、個人的に気に入っている噺です。
内容は、古典落語「宮戸川」の半七とお花を主人公にしたドタバタ二次創作です。
こんな作品でも温かく受け入れて頂いて、本当にありがとうございました。
指定文化財「旭座」で交流会
夜は、大会参加者、関係者、応援団の皆さまとの交流会が「旭座」で行われました。
旭座は、明治時代の芝居小屋を移築・復元した小浜市の指定文化財。
木造平屋建て、入り母屋造りで、入口屋根の瓦や柱など随所に当時の旭座の古材を利用しています。
こんな趣のある芝居小屋で、立食パーティとはなんたる贅沢や・・・
ちなみに、この交流会で明日の決勝進出者が発表になるという趣向。
そして決勝大会の会場もここ旭座です。
つまり決勝進出したらこの素晴らしい会場で落語が出来るのです。素敵・・・!
大会中は一杯一杯で全然余裕がなかった私ですが、やっとゆっくり皆さまと交流することができました。
初対面なのに噺を覚えていてくださり感想や励ましを下さる方もいらっしゃって、涙がちょちょ切れそうになりました。
ここは本当に、参加者の方も、スタッフの方も、応援の方も、みんな家族のような温かい大会です。
また来年も出たい。
また一年後、ここに戻ってきたい。
「ちりとてちん杯」は、そんな温かな気持ちになれる場所でした。
~おまけ~
翌日、「予選落ちの会」はまかぜプラザ(旧いろは旅館)にて。